「現状と乖離が大きすぎる」 実現可能性に疑問をもつ人が約半数

最低賃金1500円を支持するアルバイト従事者が多かったが、実現可能性についてはどう考えているのだろうか。調査によれば、「実現しないと思う」と回答した人が47.6%と半数近くに上った。

出所:マイナビ 「最低賃金1,500円引き上げに関する意識調査(アルバイト就業者・企業)」

一方で企業側は最低賃金1500円の実現可能性をどう考えているのだろうか。アルバイト従事者とギャップがあるのか気になるところだ。調査結果では、「できないと思う」(=「できないと思う」「どちらかと言えばできなと思う」と回答した人)は56.3%に上った。

出所:マイナビ 「最低賃金1,500円引き上げに関する意識調査(アルバイト就業者・企業)」

引き上げができない理由について具体的にコメントを拾ってみると、「人件費に押されて会社の業績が悪化すると思うから」(製造・50~300人未満)、「中小企業は無理がある」(飲食・宿泊・10~50人未満)、など業績が伴わない賃上げによる企業への悪影響を懸念する声も。

特に、一般的に物価高騰による価格転嫁が難しいと言われる中小企業における賃上げの難しさを指摘する人もいた。

一方で賃上げできる理由としては、「パートさんは無くてはならない存在なので辞められると困る」(製造・10~50人未満)、「出来なければ淘汰されるから」(商社・50~300人未満)、など、昨今の人手不足倒産の高まりを受けて、人材確保が企業にとっても重要な経営課題になっていることがうかがえる。