大人気「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を一般NISA2020年枠で保有していた場合で考えてみる

簡単なシミュレーションをしてみましょう。

一般NISAの2020年枠を用いて一括で120万円を投資した場合を想定してみます。投資対象は、人気の高い投資信託ということで、三菱UFJアセットマネジメントが設定・運用している「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」にします。このファンドを2020年1月6日に120万円分を買い付け、2024年12月6日に解約した場合、どのくらいの利益が出ているのでしょうか。

2020年1月6日の基準価額は1万1873円でした。この基準価額は1万口あたりになるため、これを1口に換算すると1.1873円になります。

購入額が120万円だとすると、これを1.1873円で割れば、買付口数が計算できます。答えは101万697口です。

そして、2024年12月6日の基準価額は、1万口あたり3万2972円でした。1口あたりだと3.2972円です。買付口数が101万697口なのでこれに2024年12月6日時点の1口あたり基準価額を掛けると、値上がり益を含めた売却金額として、333万2469円になります。投資元本が120万円ですから、5年間で213万2469円の値上がり益が得られたことになります。

しかもNISAで運用して得た値上がり益ですから、213万2469円の値上がり益は非課税扱いになり、投資元本を含む333万2469円がまるまる入ってきます。運用を続けたい場合、新NISAにおいて、再び333万2469円分の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を買い付ければよいのです。

ただし、現行NISAで旧制度の一般NISAに該当する成長投資枠の年間投資上限額は240万円です。したがって、333万2469円を全額、成長投資枠で活用できるわけではありません。240万円を成長投資枠に入れたとしても、残りの93万2469円は成長投資枠以外での運用を検討する必要があります。

もし1年目に全額をNISAで運用したいのであれば、93万2469円はつみたて投資枠を利用します。つみたて投資枠は年間120万円の枠があるので、これを併用すれば333万2469円を全額、1年目にNISAで運用できます。93万2469円では半端なので、もし資金的に余裕があるならば26万7531円を追加して120万円にし、毎月10万円ずつ積み立てていくのもひとつの方法でしょう。