中国事業を見直し、2工場の停止&リストラ3000人 EVシフト強化
中国の不振は今期(2025年3月期)だけではありません。四輪の販売台数は2024年3月期まで3期連続で減少しています。直近ピークの2021年3月期からの減少率は3割を超えています。
ホンダは中国事業のリストラを進めます。2024年7月には中国の工場の一部で閉鎖や休止を行う方針を示しました。人員削減も2023年までに3000人規模で実施。今期も同等かそれ以上の規模で行う方針を示しました。
一方でEV(電気自動車)の生産は強化します。現地法人の東風ホンダは、2024年10月にEV専用工場を稼働させました。同じく現地法人の広汽ホンダも、2024年の稼働を目指すEV工場が建設中です。生産能力はいずれも年12万台を見込みます。
中国での苦戦は、同地域のEVシフトが背景にあるとみられます。中国のEV販売は2021年以降に急増しました。2023年には販売の3台に1台がBEV(バッテリー電気自動車)あるいはPHEV(プラグインハイブリッド電気自動車)という状況です。ガソリン車が中心の日本勢は、販売が伸びなかった可能性があります。
中国は世界最大の自動車市場です。成長を目指すなら、中国でのシェアは残しておきたいところでしょう。ホンダはEVを強化し、販売不振からの脱却を目指します。
文/若山卓也(わかやまFPサービス)