前期は7割増益も、中国の不振で今期は苦戦 利益予想を500億円下方修正

次にホンダの業績を振り返りましょう。

去る2024年3月期は大幅な増収増益でした。前期比で売り上げは2割の増加、純利益は7割の増加となりました。二輪の販売が前期並みにとどまるなか、四輪の販売が米国を中心に好調でした。値上げや円安の効果もあり、利益を大きく増やしています。

 

出所:本田技研工業 有価証券報告書より著者作成

しかし今期(2025年3月期)は苦戦しているようです。期首時点で純利益は前期比9.7%減となる1兆円を見込んでいました。しかし、中間決算ではこの見通しを9500億円へ引き下げています。為替の前提を140円から148円に引き上げての下方修正は、同社の厳しい状況をうかがわせます。

【本田技研工業の業績予想(2025年3月期)】
・売上収益:21兆円(+2.8%)
・営業利益:1兆4200億円(+2.8%)
・純利益:9500億円(-14.2%)
※()は前期比
※同第2四半期時点における同社の予想

出所:本田技研工業 決算短信

苦戦は主に中国市場での四輪の不振です。期首時点では106万台の販売を計画していました。しかし中間までの販売台数は38.1万台にとどまります。

これを受け、四輪全体の販売台数の予想を期首時点から32万台引き下げ ました。中国の現地法人の損益が反映される持分法投資損益も、期首の100億円の黒字予想から第1四半期に300億円の赤字予想、第2四半期では550億円の赤字予想に相次いで下方修正しています。

【販売台数の見通し(2025年3月期)】
・二輪:2020万台(+40万台)
・四輪:380万台(-32万台)
・パワープロダクツ:366万台(―)
※()は期首予想比
※同第2四半期時点における同社の予想

出所:本田技研工業 決算説明会資料

【関連記事】JT(日本たばこ産業)の株価はどこまで上がる? 配当金は10年で2倍に増加! 将来を左右するのは海外戦略の成長性