筆者はこれまでたびたび、長期分散を実践する上では一定割合、新興国株式を組み入れることを推奨してきた。

その中でもインドは、最初の1本としても人気の高い「オールカントリー」インデックスファンドに占める割合が2%程度とまだ低く、かつ、個人による直接投資が難しいことなどから、ポートフォリオの「攻め」のパーツの1つとして個別の投資信託で取り入れることをおすすめしている。

インド株式の魅力や期待度の高さについては、いまさら言及するまでもないだろう。豊富な若年労働力を背景に個人消費が拡大していることに加え、モディ政権下でさまざまな改革が実施されたことで海外からの資本流入が増加し、今後もさらなる経済成長が期待されている。また、米中対立が深まる中、経済成長を続けるインドは、中国に代わる「世界の工場」としての期待も集めている。

「オールカントリー」の限界を補完する役割に期待

にもかかわらず、先述の通り、「オールカントリー」ことMSCIオールカントリー・ワールド指数に占めるインドの割合はわずか2%程度に過ぎず、全体の6割超を占める米国と比べると物足りなさを感じる。

これはなぜかというと、「オールカントリー」を含む株式インデックスの多くは時価総額加重型といって、あくまでも今現在の市場価値の実態を表したものであるからだ。そこに将来の成長性や期待値は加味されていない。時価総額加重平均型のインデックスが「昨日までの成功者の集合体」と揶揄(やゆ)されるゆえんである。

インドの将来性に期待していて、先回りして投資をするなら、「オールカントリー」のような広域の株式インデックスに追加する形で取り入れることをおすすめしたい。