人気の「半導体」関連にも中国依存度の高い企業が
また、一般消費者相手ではなく、BtoBの企業でも、中国依存度の高い企業は厳しい状況にあります。特に半導体関連では、地政学リスクの影響もあり、株式市場ではそのリスクが嫌気されています。
半導体は、スマートフォンや各種家電製品など民生品だけでなく、戦闘機やミサイル、ドローンなどの軍事品にも多用されています。そのため、米中対立のような国家間の緊張が高まっている現状において、半導体などのハイテク関連製品は、安全保障上の問題から輸出規制がかかることもあります。実際、米国は自国半導体産業の強化を目的にして、最先端半導体や半導体製造装置、設計ソフトなどに至るまで、中国への輸出を禁じる対中輸出規制を実施していますし、同様のことを日本など同盟国にも求めています。
これを受けて、日本政府も高度な半導体製造装置23品目を対象にした輸出規制を行っています。
半導体関連で中国売上比率の高い企業には、どのようなところがあるのでしょうか。
ブイ・テクノロジー(7717)は、スマートフォンや薄型テレビに用いられるフラットパネルディスプレイ製造装置の開発会社で、2018年からはウエハー研磨装置や検査装置など半導体製造装置関連の事業も展開していますが、その対中国の売上高比率が62%もあり、2024年3月期の連結売上は前期比で13.4%減、連結経常利益は前期比で34.59%減となっています。
また、TDK(6762)も中国依存度の高い企業のひとつです。生産額でグループ企業全体の約59%、連結売上の50%超が中国からもたらされています。2024年3月期決算の連結売上高は3.53%減となりました。
その他、チップ積層セラミックコンデンサ(MLCC)の村田製作所(6981)、半導体製造装置のフェローテック・ホールディングス(6890)、同じく半導体製造装置の芝浦メカトロニクス(6590)なども、中国依存度の高い半導体関連企業として知られています。この手の中国関連企業の株式に投資する際は、地政学リスクも考慮に入れて判断を下すことをお勧めします。