資生堂、純利益99.9%減・株価急落の衝撃

8月8、9日の2日間で、資生堂の株価が急落しました。

7日終値は4510円。8日は700円安の3810円、8日は3174円までの安値を付けた後、3350円で取引を終えました。終値ベースで考えると、この2日間で1160円も下げたことになります。

そして今も株価はさえない状況です。9月5日には一時3055円まで下げました。そこから若干、上がってはいるものの、9月17日の終値は3338円です。

資生堂株がここまで売られた理由は、2024年1~6月期(2024年上半期)累計の純利益が、前年同期比で99.9%減の1500万円まで大きく落ち込んだからです。

ここまで純利益が落ち込んだ最大の理由は、日本事業における早期退職支援プランに関する構造改革費用を計上したためなので、この費用を吸収した後の業績回復も期待できるところですが、やや懸念されるのが中国事業です。

2024年1~6月期の連結決算における地域別売上高は、日本が前年同期比で13%増、欧州が12%増になったものの、中国は7%減、トラベルリテールが23%減となりました。

特に中国は、2023年第3四半期の前年同期比が9%減、第4四半期が同21%減です。また、空港や市中免税店における化粧品やフレグランスの販売を示すトラベルリテールが苦戦していますが、これは中国海南島や韓国での中国人旅行者の消費意欲の低下が、売上の大幅な落ち込みにつながっていると考えられます。