「新NISAをきっかけに投資を開始」が63%
調査では始めに「昨年と比較した投資行動の変化」を聞いており、「投資をしている(投資家層)」が正規雇用者で昨年の51%から54%へと上昇した。非正規雇用者を含めた全体でも、「投資をしている(投資家層)」48%、「投資をしていない(非投資家層)」52%と半々の結果となった。
中でも「もともと投資をしていなかったが、投資を始めた」という人は約1割に上った。「新NISAは、これまで投資をしてこなかった人を投資の世界に招き入れたという特徴があるのでその点を検証した」と浦田氏。
投資を始めた人の理由は「新NISAが始まり、投資に興味を持ったから」が63%と最多。以下、「インフレが進み、預貯金だけでは資産が目減りしてしまうと思うから」26%、「投資に関して知識・情報が増えたから」24%と続いた。
新NISAをきっかけに投資を始めた人の年代に偏りはないが、男性は30代、女性は40代がやや多かった。非正規雇用者では若年層(28~36歳)と中堅層(37~52歳)の比率が高めだったが、平均すると雇用形態別に大きな差異は見られなかった。年収別では男性は500~700万円未満が31%、女性は300~500万円未満が28%と最も多かった。
「預貯金で新NISAに投資」が4割弱、「貯蓄から投資へ」の流れを実証
「新NISAに投資する財源」については、男女、年収、年代、雇用別の全てで「給与、ボーナスなどこれから稼ぐお金」が6~7割と最多を占めた。次いで、「預貯金口座で貯蓄しているお金」が4割弱と、「貯蓄から投資へ」の流れが着実に進んでいる様子が実証された。「持っている金融資産が多くなるほど、預貯金口座の貯蓄を新NISAにシフトする割合が加速度的に増えている」と浦田氏。
NISA口座を開設している金融機関別に詳しく見ると、大手銀行・信託銀行では「預貯金口座で貯蓄しているお金」を新NISAの財源とする人が多く、対面証券では「旧NISAや一般証券口座からの移換資金」を財源とする人が多く見られた。