今後10年から20年にかけてのEVシフトは、地域ごとに異なる速度で進むと予想されます。欧州では2035年までに合成燃料を使う内燃機関車を除いて、EV以外の販売禁止を目指していることから、EVシフトが着実に進む見通しです。北米では、2030年代に向けて市場が拡大すると見られていますが、現状のSUVやピックアップトラックが主流の自動車市場では、EVへの完全移行には時間がかかると考えられます。11月の大統領選の行方も重要なポイントになりそうです。中国は政府の強力な支援により、EV市場をリードするポジションにあり、今後も高い成長が期待されています。日本では、政府の目標として2035年までに乗用車の新車販売で電動車100%を実現する方針に沿って、EVシフトがしっかりと進捗していくと見られます。充電インフラの整備不足やバッテリーコストの高さが依然として普及のハードルとなっていますが、技術の進化とコストの低減、政策的な支援により、2030年代に向けてEV普及は加速する見込みです。また、企業の環境対応意識の向上も、EV市場の成長を促進する要因となりそうです。今後も各国政府や企業の戦略がどのように変化していくかを注視していく必要がありそうです。