大手証券の投信売れ筋ランキング(2024年7月)のトップ3は、前月と同様に「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」と「HSBC インド・インフラ株式オープン」、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)」になった。

前月と比較すると、「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」や「半導体関連 世界株式戦略ファンド 愛称:半導体革命」など半導体関連株ファンドが順位を下げ、代わって、「日経225ノーロードオープン」、「ダイワ・ブルベア・ファンド6 ブル3倍日本株ポートフォリオ6」、「野村インデックスファンド・日経225(愛称:Funds-i 日経225)」など日本株インデックスファンドが大きく順位を上げた。7月下旬に国内外の株価が調整安となる中で、先行して下落した日本株に「押し目買い」が入ったと考えられるが、8月に入ると株価が一段安となり、この7月の日本株買いは痛手になってしまった。

ランキングは、大手証券(野村、大和、SMBC日興、みずほ)の代表的な売れ筋ランキングについて、トップに10点、以下、順位が下がるごとに1点減点して10位を1点としてポイントを付与し、そのポイントを合算してポイント上位から並べたもの。各社の公開情報に基づくもので、大和とSMBC日興はオンライン(総合)、また、大和の売れ筋は当月最終週の1週間分のみのランキングを使っている。

◆7月は日本株投信がランキング浮上したが…

7月の売れ筋ランキングで順位をあげた日本株インデックスファンドは、結果的に8月初旬の株価急落によって大きな痛手を受けてしまったことになる。7月の国内株インデックスの動きは、TOPIX(東証株価指数)が6月末比で史上最高値を記録した7月11日に4.25%高となったものの、その後はダラダラと下落し、月末には6月末比で0.55%安となった。7月11日の高値からは4.61%安だった。同じように日経平均株価は、7月11日に6.67%高とTOPIXを上回る上昇率を記録して史上最高値を更新したが、月末は1.22%安。高値からの下落率は7.39%にもなった。前半高で後半が失速という動きだったため、月間で売れ筋ランキングの上位になった日本株ファンドは、高値を付けた後の下落局面で、次なる高値更新を期待した「押し目買い」の注文が多かったことがうかがえる。

ただ、7月の買い注文は、8月初旬の株価急落で大きな含み損を抱えてしまうことになる。7月末に日銀が政策金利の0.25%引き上げを決定したことをきっかけに国内株価が急落したためだ。TOPIXは8月5日までに7月末比で20.30%安に急落。史上最高値だった7月11日と比べると23.97%安になった。日経平均株価も7月末比19.55%安、史上最高値からは25.50%安となった。1カ月足らずの間に25%を超える下落率は「暴落」と表現されても良いレベルだ。