オルタナティブ投資ってどうなの?

資産配分の見直しだけではなく、新しい投資への対策も行われています。その代表的な例がオルタナティブ資産への投資でしょう。

オルタナティブ投資についてはGPIFの報告書に詳しい説明があります。

オルタナティブ資産とは、伝統的な投資対象資産である上場株式、債券に対する「代替的(オルタナティブ)」な投資対象資産の総称です。オルタナティブ資産には多種多様な資産が含まれますが、GPIFではインフラストラクチャー、プライベート・エクイティ、不動産をオルタナティブ資産の運用の対象としています。

出所:年金積立金管理運用独立行政法人「オルタナティブ資産の運用とは」

投資できる上限を資産全体の5%までと定めており、2024年3月現在では3.6兆円(年金積立金の約1.5%)ほど運用しています。

個人投資家としても、株式・債券といった伝統的な資産以外への投資に興味を持つ方も多いと思います。チェックしてみましょう、と言いたいところですが、内容を見ても判断が難しいため、リターンを見てみます。

まず内部収益率(IRR)を見ると10%以上の数字が並んでいるため、非常に優れたリターンのように見えますが、為替の影響を除いて個別(円建て、米ドル建て)で見てみると、オルタナティブ投資も円安の影響を大きく受けたようです。

出所:年金積立金管理運用独立行政法人「 2023年度 業務概況書」 

魅力的な投資対象のようにも思えますが、管理運用委託手数料率を見ると0.06%と、GPIFならではの規模を生かした超低コストで運用されています。個人投資家はここまで低コストでの運用はできないため、1%以上は高い費用が掛かってくるかと思われます。コストによって、さらにリターンは押し下げられるので、なかなかハードルの高い投資と思ってもよいようです。

ここまで年金の報告書から投資のヒントになりそうな内容をピックアップしてみましたが、他にもまだまだ有益な情報がたくさんあるのでGPIFのサイトをチェックしてみてはいかがでしょうか。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)