改めて確認、年金の運用は4資産分散
年金積立金は、日本と外国の株式と債券の資産に各々約25%ずつ投資されていることを知っている方も多いかもしれませんが、ここを少し掘り下げてみたいと思います。
実は外国への投資といっても、株式と債券では考え方が異なります。何が違うかといいますと、新興国への投資になります。新興国に分類される中国やインド、台湾などへの投資の有無に関してです。下図のように、株式(水色)には新興国への投資をしているのですが、債券(藍色)資産には投資はせず、“0”が並んでいます。
投資対象とする指数が違うからなのですが、外国株式は、新興国を含むMSCI All Country World Index(全世界株式インデックス)(除く日本、円ベース、配当込み)を採用しています。一方で外国債券は先進国のみを対象としているFTSE世界国債インデックス(除く日本、円ベース)を採用しています。
新興国の債券は一般的に利回りが高く魅力的ではありますが、投資しない理由はいくつか考えられます。新興国の国債は先進国のそれよりも相対的に信用リスクが高いとされていたり、投資資金が大きいため流動性に心配があったり、などのことからでしょうか。
資産配分については見直しが行われており、2020年以降はこの4資産に25%ずつ投資する配分になっています。もちろんしっかりとリバランスもしています。
ご覧のとおり、国内株式を約8兆円、外国株式を約7兆円、合計15兆円ほど売却。すごいスケールでリバランスをしています。