信託報酬は目論見書で確認できる

次に、信託報酬を確認する方法を紹介します。

信託報酬は目論見書(もくろみしょ)に記載されています。目論見書とは、投資信託の説明書に相当する書面です。信託報酬を確認するなら、目論見書を確認しましょう。目論見書は運用会社のウェブサイトなどで公開されています。

なお目論見書には、交付目論見書と請求目論見書の2つがあります。交付目論見書は、新規購入時に金融機関から必ず交付されます。請求目論見書は、私たちが請求したときのみ交付されるもので、追加的な情報が記載されています(出所:投資信託協会 目論見書)。

信託報酬は、一般的に交付目論見書の「手続・手数料等」欄に記載されます。手続・手数料等欄は、交付目論見書の後半に記載される傾向にあります。

信託報酬は年率で示されます。例えばオルカン(eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー))の場合、交付目論見書には「日々の純資産総額に対して、年率0.05775%(税抜 年率0.0525%)以内をかけた額」と表記されています。

「以内」となっているのは、オルカンは純資産総額に応じて料率が異なるためです。交付目論見書から抜粋すると、信託報酬は以下のような設定となっています。

【オルカンの信託報酬の内訳(2024年7月30日現在)】

「総経費率」も一緒にチェック

最後に、信託報酬に関連して「総経費率」も押さえておきましょう。

総経費率とは、一般的に「信託報酬(運用管理費用)+その他の費用」で構成される指標です。近年は交付目論見書に総経費率も表記されるようになりました。

投資信託の運用コストは信託報酬だけではありません。また信託報酬に含める費用は各社で異なっているとの指摘もあります。したがって、信託報酬だけでは平等な比較が難しいという課題があります。

その点、費用の範囲が広い総経費率なら、より実際の運用コストを反映していると考えられます。信託報酬だけでなく、総経費率もあわせてチェックしておきましょう。

ただし、総経費率は直近の決算期における実績値です。あくまで過去の結果であり、将来を保証するものではありません。またファンドによって決算期は異なるため、総経費率の単純な比較は適切でないケースにも留意しておきましょう。