投資信託には信託報酬(運用管理費用)が設定されています。私たちの利益にも関わってくる大切なポイントです。

「実は信託報酬のこと、あまり知らない…」という人も多いのではないでしょうか?そこでこの記事では、信託報酬とはなんなのか、少し掘り下げて紹介します。信託報酬を誰に支払っているのか、どうやって調べればよいのか、押さえていきましょう。

信託報酬は運用コスト、投資家の利益にも関わる

信託報酬は投資信託の運用コストの一つです。一定の料率で、投資信託の財産から日々差し引かれています。投資信託の財産は投資家に帰結するものですから、信託報酬は実質的に投資家が負担しています。

例えば信託報酬が年率1.0%の投資信託で100万円を1年間運用する時、投資家は概算で1万円を負担することとなります。

この仕組みから、投資家が手にできる利益は信託報酬を含む手数料を支払った残りとなります。運用成績が同じなら、信託報酬が高いほど利益が残りにくくなり、投資家にとって不利となります。

自身の利益に関わるため、信託報酬は購入前に確認することが望ましいのです。

信託報酬は誰に支払っているのか?

次に、信託報酬を誰に支払っているか押さえましょう。

信託報酬の支払先は、運用会社(委託会社)と受託会社、販売会社です。投資信託はこの3者で構成されています(出所:投資信託協会 投資信託の仕組み)。

運用会社は、いわゆる投信会社です。野村アセットマネジメントや三菱UFJアセットマネジメントなどが代表的です。運用会社は、投資信託を立ち上げ、どのように運用するか指示を出しています。

受託会社は、運用を直接的に担う機関です。運用会社から運用の指示を受け、実際の売買を行います。また財産の保管も受託会社が行います。受託会社は、基本的に信託銀行が担っています。

販売会社の役割は、いわゆる窓口業務です。投資家から申し込みや解約を受け付けたり、分配金や償還金の支払いを行ったりします。販売会社は銀行や証券会社などが務めています。

このように、投資信託は上記の3者がそれぞれの役割を果たすことで運営されています。このことから、信託報酬は各社の役割に対する報酬という性格を持っています。

なおETF(上場投資信託)の場合、信託報酬に販売会社へ支払う部分はありません(※)(出所:投資信託協会 ETFのメリットは?)。

※ETFの方が非上場の投資信託より信託報酬が低くなるとは限らない