今期は増収増益 しかし中計の目標には届かず
将来の見通しも確認しておきましょう。
アドバンテストの今期(2025年3月期)は増収増益の計画です。最高業績だった2023年3月期には届きませんが、前期のダメージからは回復を見込みます。
【アドバンテストの業績予想(2025年3月期)】
・売上高:5250億円(+7.9%)
・営業利益:900億円(+10.3%)
・当期利益:670億円(+7.6%)
・純利益:670億円(+7.6%)
増収増益の計画ですが、中期経営計画の目標から見るとやや保守的です。
アドバンテストは2024年6月、2027年3月期を最終とする新しい中期経営計画を公表しました。今期はその初年度にあたりますが、上述の業績予想は掲げた目標に届いていません。
【中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)の主な平均目標】
・売上高:5600億円~7000億円(5250億円)
・営業利益率:22~28%(17.1%)
・当期利益:930億円~1470億円(670億円)
・1株あたり当期利益:127円~202円(90.74円)
※()は2025年3月期の予想(1株あたり当期利益は発行済株式7億6614万1256株から自己株式2772万9600株を控除して算出)
アドバンテストは今期の半導体テスタ市場の見通しに慎重なようです。
アドバンテストは2024年のメモリテスタ市場規模を14億ドル~17億ドル(2023年実績は11億ドル)、SoCテスタ市場規模を29億ドル~32億ドル(同33億ドル)と想定しています。メモリテスタは強い需要を見込む一方、SoCテスタは弱含む予想です。
SoCテスタでは、自動車や産業機器向けで高水準の設備投資が続いたことから、需要の一服を想定しました。これらから、2024年の半導体テスト市場の拡大は5%程度にとどまると見込んでいるようです。ただし2025年以降は「比較的高い確度で市場規模が拡大する」としました(出所:アドバンテスト 決算説明会資料)。
中期経営計画の目標達成は、2025年以降の成長にかかっているといえそうです。