前期は減収で利益半減 半導体市場の縮小が痛手
高い成長率を誇るアドバンテストですが、前期(2024年3月期)は苦戦しました。売上高が大きく減少し、各段階利益は半減しています。
【アドバンテストの業績(2024年3月期)】
・売上高:4865億円(-13.2%)
・営業利益:816億円(-51.3%)
・当期利益:623億円(-52.2%)
・純利益:623億円(-52.2%)
苦戦の背景には半導体市場の停滞があります。
電子情報技術産業協会によると、2023年の半導体市場は縮小しました。市場の8割を占めるIC(集積回路)も、メモリを中心に大きく規模を減らしています。
【世界のIC 製品別の市場規模(2023年)】
・アナログ:812億ドル(-8.7%)
・マイクロ:763億ドル(-3.5%)
・ロジック:1786億ドル(+1.1%)
・メモリ:923億ドル(-28.9%)
・合計:4284億ドル(-9.7%)
※()は前年比
半導体市場の停滞は顧客の設備稼働率の低下を招きました。直近3年度は設備投資が旺盛だったことから、顧客に設備の余剰が生じ、テスト装置の需要が低下したようです。このような影響から売り上げが減少し、利益も大きく減ることとなりました。
利益の減少はほかに、米子会社(Essai社。2020年に買収)のキャッシュフロー見通しが低下しのれんの減損損失が生じたこと、主に為替差損益の悪化から金融損益が悪化したことも影響しています。