失敗しない葬儀社選びのポイント

コロナ禍に見舞われた2020年以降、葬儀の在り方は変化しました。それまでのような大規模な葬儀が見直され、通夜の省略や少人数で執り行う家族葬が一般的になってきたのです。

とはいえ、葬儀を取り仕切るのが葬儀社であることに変わりはありません。そんな世相のなかでの葬儀社選びのポイントは、じつはいくつか存在します。

家族が入院中に亡くなると、病院が提携している葬儀社を紹介してくれる場合がありますが、これは少し検討したほうがいいかもしれません。昔から葬儀に関するビジネスには紹介料の文化があり、葬儀社から病院にキックバックが支払われているケースが少なくないからです。当然、葬儀社は利益が減るので、担当者を経験のない新人社員にしたり、高額なサービスのオプションをつけようとしたりする場合もあります。

注意したい葬儀社の特徴は?

近年は、インターネットで葬儀社の名称と「口コミ」や「評判」というワードを一緒に入力して検索すると、その葬儀社の実情が見えてくるので、選ぶ際に便利です。また、すでに葬儀を経験したことのある信頼のおける知人に紹介してもらうという方法も、選択肢としては無難かもしれません。

葬儀前は誰もが精神的に弱っている状態ですから、高圧的な態度をとられると、つい相手のいいなりになってしまいがち。しかし、遺族に明確な希望がある場合や故人の遺志を通したい場合は、流れ作業のように葬儀社に依頼するのではなく、きちんと相手を選択することが重要です。

その際チェックしておきたいのが、葬儀社の契約前後の態度です。「契約を急がせる」「サービスのオプションをつけないと、契約後に態度が変わる」ような会社には注意しましょう。

また、費用を抑えるために家族葬を選択した場合、参列者が少なくなるので当然ながら御香典も減ってしまいます。そうなると、最終的な収支がマイナスになることがあるので気をつけましょう。さらに、家族葬では自宅への弔問客が増える可能性があり、その分手間が多くなってしまうことも予測しておくべきです。

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監修 橘慶太

協力 湯本康平

イラスト 本村 誠

出版社 宝島社

定価 1,540円(税込)