今後の見通しは?今期と中期の計画を確認
今期(2025年3月期)の見通しも確認しておきましょう。
いよぎんHDは今期に減収減益を見込んでいます。特に経常利益と純利益は減少幅が大きく、有価証券関係損益の縮小を主因におよそ2割の減益を見込みます。なお、銀行の本業の収益を示す業務粗利益は増加する見通しです。
【いよぎんHDの業績見通し(2025年3月期)】
・経常収益:1900億円(▲1.4%)
・経常利益:460億円(▲21.5%)
・純利益:320億円(▲18.9%)
※()は前期比
※(参考)連結コア業務粗利益1020億円(+3.3%)、連結コア業務純益440億円(+1.1%)、有価証券関係損益45億円(▲69.8%)
中期でも大きな成長は見込んでいないようです。
いよぎんHDは2024年4月、新しい中期経営計画(2024年度~2026年度)を公表しました。最終年度の目標値は2024年3月期より悪化するものもあり、保守的な印象です。なお連結コア業務純益は期間中に65億円の増加を計画します(2024年3月期の実績435億円)。
【中期経営計画の財務目標】
2024年3月期 (実績) |
2027年3月期 (目標) |
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連結ROE | 4.92% | 4%半ば |
純利益 | 394億円 | 350億円 |
連結コアOHR(※) | 55.9% | 55%程度 |
成長投資 | ― | 100億円 |
※OHR(Over Head Ratio):業務粗利益に占める経費率
※「目指す水準」として連結ROEは7%以上を設定、その他の項目も進捗を勘案して設定
一方、株主還元は強化する方針です。配当と自社株買いを合わせた総還元性向は2027年3月期までに50%以上を目指します。
文/若山卓也(わかやまFPサービス)