山崎製パンの株価は2023年に大きく上昇しています。年間騰落率は100%に達し、1年間で2倍に値上がりしました。これは決算を好感したものだとみられます。第1四半期から利益の進捗がよく、中間と第3四半期では上方修正も行いました。

足元の株価は、2024年2月の高値(4133円)から押される展開となっています。

原材料やエネルギー価格などの高騰から、パンの製造コストは増加傾向にあります。このような環境で、なぜ山崎製パンは好業績を残せたのでしょうか。2023年度の決算を確認してみましょう。また今期の見通しも紹介します。

製パン国内首位 「ロイヤルブレッド」など人気商品多数

まずは山崎製パンの概要を押さえましょう。

山崎製パンはパンの製造と販売を手掛ける企業です。主力製品は食パンの「ロイヤルブレッド」や「ダブルソフト」、菓子パンの「ランチパック」や「薄皮シリーズ」などです。製パン業界で国内首位のシェアを持っており、売り上げは同業他社を圧倒しています。

【主な製パン企業の売上高(2022年度)】
・山崎製パン:1兆0770億円
・フジパングループ本社:2882億円
・敷島製パン:1617億円
・第一屋製パン:244億円

出所:各社の決算短信および会社概要

山崎製パンは食品事業のほか、「デイリーヤマザキ」や「スーパーヤマザキ」などの流通事業も手掛けています。その他の事業として、物流事業や食品製造設備の設計、損害保険代理業なども行っています。ただし、業績の大半は食品事業が占めています。

【セグメント業績(2023年12月期)】

        売上高     営業利益  
 食品事業 1兆0021億円 223億円
 流通事業 617億円 -31億円
 その他事業 132億円 24億円

出所:山崎製パン 決算短信

連結子会社には不二家やサンデリカ、ヤマザキビスケットのほか「キャラメルコーン」の東ハトなどがあります。また持分法適用会社にB-Rサーティワンアイスクリームも持っています。