今期1~3月も好進捗 上方修正はある?

山崎製パンは今期(2024年12月期)も増収増益を見込んでいます。特に営業利益と経常利益は2ケタ増益の計画です。販管費の増加を予想していますが、増収とデイリーヤマザキ事業の赤字縮小で吸収を目指します。また主要子会社も前期と同水準の増益を見込みます。

【今期の業績見通し(2024年12月期)】
・売上高:1兆2230億円(+4.0%)
・営業益:480億円(+14.4%)
・経常益:510億円(+12.0%)
・純利益:315億円(+4.4%)
※()は前期比
※同第1四半期における同社の予想

出所:山崎製パン 決算短信

第1四半期までの決算は公表されています。売上高はほぼ計画通りです。一方、各段階利益の進捗は高水準です。このペースが続くと、2023年度と同じく業績を上方修正する可能性があります。

【第1四半期までの進捗率(2024年12月期)】

     通期予想    第1四半期実績  進捗率  
 売上高 1兆2230億円 3067億円 25.1%
 営業益 480億円 165億円 34.4%
 経常益 510億円 174億円 34.1%
 純利益 315億円 109億円 34.6%

出所:山崎製パン 決算短信

上場企業は業績予想に一定以上の変動が認められる場合、予想を修正する義務があります。原則として、売上高は±10%、営業利益から純利益までは±30%の変動がある場合に新しい見通しの開示が必要です(出所:日本取引所グループ 業績予想の修正、予想値と決算値との差異等)

山崎製パンは、今期第1四半期までのペースが続いた場合、通期では営業利益から純利益のいずれも計画に対し30%以上上振れすることになります。第1四半期決算では、第2四半期について「堅調なスタート」ともコメントしていますが、中間および通期の見通しは据え置きました。

業績予想の修正は期末に近づくほど増加する傾向にあります。山崎製パンの2023年度の上方修正は、第2四半期と第3四半期の決算公表時に行われました。

ただし、上方修正を公表しても市場の期待に届かない場合、株価は下落する可能性があります。コンセンサス情報(アナリストなど市場参加者の業績予想を集計したもの)なども確認しておきたいところです。

文/若山卓也(わかやまFPサービス)