債券運用で96億円プラス ヘッジ削減で運用益を確保

冒頭の通り、いよぎんHD株式は値上がりが顕著です。背景には直近の好業績があるとみられます。

いよぎんHDの前期(2024年3月期)の業績は以下の通りです。売上高に相当する経常収益は1割の増加、経常利益および純利益は3~4割の大幅な増益となりました。純利益は2期連続で過去最高を更新しています。50億円(600万株)を上限とする自社株買いも公表しました。

【いよぎんHDの業績(2024年3月期)】
・経常収益:1928億円(+11.5%)
・経常利益:586億円(+38.1%)
・純利益:395億円(+41.5%)
※()は前期比
※(参考)連結コア業務粗利益987億円(+10.2%)、連結コア業務純益435億円(+18.0%)、有価証券関係損益150億円(前期は0.37億円の赤字)

出所:いよぎんHD 決算短信

いよぎんHDの決算で話題だったのが債券運用です。国内外の債券の売却損益などを示す債券等関係損益が前期比で3倍に増加しました。一方、主要な銀行の多くは前期に続きマイナスを計上しています。

【債券等関係損益(2024年3月期、単体)】
・伊予銀行:96億円(29億円)
・主要9行:▲5602億円(▲1兆1893億円)
※()は2023年3月期の実績
※主要9行:みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行、三井住友信託銀行、SBI新生銀行、あおぞら銀行

出所:いよぎんHD 決算短信
出所:金融庁 銀行の決算の状況

いよぎんHDは為替ヘッジ付きの外債を減らしてきました。円安の恩恵から、金利上昇に伴う債券価格の下落をカバーしたと考えられます。なお足元では為替ヘッジ付きを含め外債を大きく積み増しているようです。