老後資金におびえない! ファイナンシャル・ウェルビーイングの考え方

ファイナンシャル・ウェルビーイングを高めるには、「自分ごと」として捉えるための「見える化」が重要です。①現在の家計状況(収入と支出を確認し、黒字を確保する)、②将来への備え(貯金や保険)、③今やりたいこと(生活の充実、趣味)、④将来の目標(住宅購入、投資、教育費)の4つに分けて書き出し、資金の配分を考えることで、「漠然とした不安が書く過程で解消され、前向きに取り組んでいけるのではないでしょうか」と村上氏。

さらに、「ファイナンシャル・ウェルビーイングが高いほど家計満足度も高い」という調査結果(図表③)も出ています。

図表③ ファイナンシャル・ウェルビーイング点数5区分別・家計と資産の満足度

出所:第一生命経済研究所「ウエルビーイングを実現するライフデザイン ライフデザイン白書2024」より抜粋

縦軸に幸福度、横軸にファイナンシャル・ウェルビーイングの点数を5区分に分けたグラフからは、ファイナンシャル・ウェルビーイングが高まるにつれて幸福度も高くなっていることが分かります。

そのファイナンシャル・ウェルビーイングを高めるには、金融リテラシーを高めることが有効だということが明らかになっています(図表④)。

図表④ 主観的金融リテラシーとファイナンシャル・ウェルビーイング

出所:第一生命経済研究所「ウエルビーイングを実現するライフデザイン ライフデザイン白書2024」より抜粋

金融リテラシーとは、生活するうえで必要なお金の知識と判断力のことです(図表⑤)。

図表⑤ 最低限身につけるべき金融リテラシーについて

出所:金融庁・金融経済教育研究会「最低限身につけるべき金融リテラシーについて」より第一生命経済研究所作成

 

家計を見直してコントロールする、金融知識を付けるなどを意識して行動することは、お金についての漠然とした不安を和らげるのに役立ちます。やみくもな節約や貯蓄疲れに悩む人は現状の見直しから始めるのが第一歩です。