短プラ引き上げで業績55億円押し上げ ただしフル寄与は来期から

今期(2025年3月期)の見通しも確認しておきましょう。

住信SBIネット銀行は今期も増益を見込みます。純利益280億円と、前期比12.7%の増益となる計画です。なお、純利益以外の段階利益の予想は開示されていません。1株あたり配当金は通期で18.5円を予想しています。

また、今期は住宅ローン金利の上昇も始まります。

住信SBIネット銀行は2024年5月、短期プライムレート(短プラ)を0.1%引き上げました。マイナス金利が解除されたことを受けての措置です。

変動型の住宅ローン金利は短プラを基準に決められます。住信SBIネット銀行の住宅ローンの変動金利割合は93%と、大半が変動型の貸し出しです。住宅ローン金利の上昇は業績の改善に貢献するとみられます。

住信SBIネット銀行は、短プラの0.1%の引き上げで資金利益が通期で55億円改善すると試算します。

【短プラ0.1%引き上げによる資金利益の試算(通期)】
・資金収益:+92億円
・調達費用:-37億円
・資金利益:+55億円

出所:住信SBIネット銀行 決算説明資料

ただし、今期においては業績の押し上げは限定的です。住宅ローン金利の反映は2025年1月から始まるためです。本格的な寄与は来期(2026年3月期)からと考えられます(参考:住信SBIネット銀行 短期プライムレートに関するよくある質問)

文/若山卓也(わかやまFPサービス)