円安でオルカンのパフォーマンスが好調
米MSCI全世界株指数は「MSCI ACWI」と呼ばれ、世界47カ国・地域の約2800社を組み入れている。インデックスファンドなどを通じて円建てで投資する場合は、円を外貨に変えて買うため、為替相場の影響を受ける。米ドルやユーロなどが円に対して上昇すると、円換算での海外資産の価値が膨らみ、運用成績が向上するのである。
MSCI全世界株指数は、世界の株式に幅広く分散投資できるメリットがあり、インデックスファンドを通じて投資することが可能である。特に三菱UFJアセットマネジメントが運用する「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)」は純資産残高が3兆円を超え、新しい少額投資非課税制度(NISA)でも人気を集めている。
一方で、注意すべき点として、円高への反転や巨大ハイテク株の影響度合いの高まりが挙げられる。巨大ハイテク企業の時価総額拡大に伴い、指数を構成する上位銘柄に左右されやすくなっているからである。
さらに、円安が継続する中で、現地通貨建てよりも円建ての方が運用成績は高くなっている。円安は家計への負担増につながるが、海外投資に関してはプラスに働いているといえるだろう。