SBI証券のランキング5位は「iFreeNEXT FANG+インデックス」

 

SBI証券のランキング5位は、「iFreeNEXT FANG+インデックス」だった。同ファンドは大和アセットマネジメントが運用する投資信託で、Facebook、Amazon、Netflix、Google(Alphabet)の頭文字をとって「FANG」と呼ばれる次世代テクノロジーをベースにしたグローバル社会で影響力と知名度の高い10銘柄の米国企業の株式に等金額投資したポートフォリオで構成されるNYSE FANG+指数(配当込み、円ベース)の動きに連動する投資成果をめざす。原則としてNYSE FANG+指数を構成する全銘柄に投資し、為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは原則として行わない運用方針となっている。2月末時点の1年騰落率は+99.9%となっており、高いパフォーマンスから、3月以降もSBI証券のランキング上位に入る可能性は高いだろう。

■iFreeNEXT FANG+インデックス
基準価額 5万1039円
信託報酬 0.7755%(年率・税込)
純資産残高 1278億円

<騰落率>
1カ月 9.7%
3カ月 23.3%
6カ月 31.1%
1年  99.9%

※2月末時点

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の人気が継続

 

3月も、SBI証券や楽天証券では「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の人気が高かった。たしかに、同ファンドへの投資は、世界経済の成長力を活用し、長期的に資産を増やす機会を提供するものである。

世界の人口は増加傾向にあり、2024年の約80億人から2058年には100億人に達すると予測されている。人口増加に伴い、消費も拡大し、モノやサービスの生産も増加する。世界経済が継続的に成長するならば、長期的な株価上昇の可能性は高いといえるだろう。

しかし、すべての人がeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)に投資すべきというわけではない。その理由は、個人のリスク許容度が異なるからである。リスク許容度とは、「どの程度の損失に耐えられるか」を表す尺度である。一般的に、「高収入」「資産が多い」「若年層」などはリスク許容度が高いとされるが、個人の主観的な意向によっても左右される。リスク許容度の高低に優劣はなく、自身のリスク許容度を理解し、それに適した商品を選択することが重要である。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は世界中の企業に投資することで分散投資の効果が得られるが、その対象は様々な国の株式であるため、債券などに比べるとリスクは比較的高めなのである。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の調べによると、外国株式型ファンドは、2008年のリーマンショック時に-53%下落しており、短期的に大きな損失を抱える可能性がある。

リスク許容度の低い人がeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を購入すると、自身の許容範囲を超えた値動きに晒される可能性があり、適切とはいえない。したがって、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、リスク許容度が高い人向けの商品であることを認識しておくべきである。リスク許容度が高くない場合は、債券ファンドや株式と債券の両方に投資するバランス型ファンドの方が適している。

投資家は自身のリスク許容度を慎重に評価し、長期的な投資目標と整合性のある商品を選択することが大切である。eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は世界経済の成長力を取り込む魅力的な選択肢ではあるが、すべての人に適しているわけではない。「売れているファンドだから」という理由で買うのではなく、自身のリスク許容度を理解し、それに応じた投資戦略を構築することが、長期的な資産形成の鍵となるであろう。

■eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
基準価額 2万3162円
信託報酬 0.05775%(年率・税込)
純資産残高 2兆6248.2億円

<騰落率>
1カ月 5.0%
3カ月 12.5%
6カ月 14.3%
1年  35.2%

※2月末時点