20代……積み立ての仕組みをつくる
20代は、新NISAの口座を開き、つみたて投資枠で積立投資を開始することをまず目標にしましょう。とにかく若いうちに積み立てを始めることが資産形成のうえでは有利に働きます。少額でよいので、収入が入ったら自動的に投資できる仕組みをつくることを目指してください。
積み立てを始めたら、結婚、出産、住宅購入、やりたいこと、転職など、考えられるライフプランをイメージでもよいので書いてみましょう。ライフイベントに向けての準備は、早ければ早いほど負担を分散できますので、貯蓄や投資を考えるうえでよい資料になります。
この世代は、老後までの時間がたっぷりあり、リスクを取れるのが最大の特権です。投資する商品は、株式型のファンドをベースにしてよいでしょう。日本の人口は減りつつありますが、世界の人口は増加傾向にありますので、世界経済の成長は期待できます。投資先は国内だけでなく海外にも分散できるものに着目してみましょう。選択肢としては、「全世界株式」や「先進国株式」のインデックスファンド、海外株式の比率が高いバランスファンドなどが挙げられます。
結婚や留学など、近い将来に資金を使いたい場合は、株式比率を抑えたバランスファンドや債券ファンドが有力な選択肢となります。期待リターンは株式型のファンドより落ちますが、値下がりリスクを抑えられるので、使いたいタイミングで売却しやすくなります。
30代……投資額をできるだけ上乗せしていく
30代は20代よりライフイベントが多くなり、収入も増えるため、資産運用も見直しが必要です。20代から始めた人、30代から始める人のどちらも、手持ちの資産と収入を洗い出し、今後どのくらいの金額を投資に回していくか、整理するとよいでしょう。
投資する商品は、基本的には20代と同様に、使うタイミングが近いものはバランスファンドや債券ファンド、老後資金や教育費など10年以上先の目的であれば、株式型のインデックスファンドや、株式比率の高いバランスファンドでの運用でもよいと思います。
いずれにしても、できれば20代よりも投資額を上乗せしていきたいところです。30代はまだ、定年まで20〜30年あります。積立期間が長い人、その中でも若いころの積立額が多かった人は、同じ環境ならば最終的な運用成績が良くなる可能性が高まります。
利益が利益を生む複利効果は、後半になればなるほど大きくなるので、初期のころの積み立てを少しでも頑張るほど、有利に作用するのです。
30代に入って収入が増えても、生活水準はできるだけ変えず、増えた分を投資に回していけると理想的です。たとえば子どもが生まれて児童手当や会社の家族手当などが支給されても、それを「なかったもの」として投資に回すなど、無理せずできる上乗せを心がけるだけでも未来の景色が違ってきます。塾代や受験費用など、子どもの教育費がかかり始める前の貯めどき期間を有効に使えるように計画しましょう。
また、結婚した場合、新NISAの口座はぜひ夫婦2人でそれぞれ開設しましょう。非課税投資枠が倍になるだけでなく、夫は老後資金用、妻は教育費などのライフイベント用といったように、目的を分けて使えば、管理の面でもわかりやすくなるのでおすすめです。
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