外国株式型の資金流入額1位は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(3439.23億円)

 

新NISA開始から約1ヶ月が経過し、その制度を利用する投資家たちがどの商品を選好しているかの傾向が見えてきた。新NISAの対象となる投資信託の動向を観察すると、2024年1月には、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」への投資が顕著で、資金流入額が約3439億円に達している。次いで、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」への投資が約2090億円だった。そして、3位の「インベスコ世界厳選株式オープン(為替ヘッジなし・毎月決算型)」は約514億円だった。これらの結果から、「eMAXIS Slim」シリーズの「全世界株式(オール・カントリー)」と「S&P500」が他の商品を大きく上回る投資を集めたことが明らかである。パフォーマンスも好調なので、2月以降も同ファンドに高水準の資金流入が続く可能性は高いだろう。

■eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
基準価額 2万2062円
信託報酬 0.05775%(年率・税込)
純資産残高 2兆2768.6億円

<騰落率>
1カ月   5.6%
3カ月 15.1%
6カ月 10.3%
1年     32.1%

※1月末時点

外国株式型の純資産残高1位は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」(3兆4313.76億円)

 

1月は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」にも高水準の資金流入が続き、純資産残高は3兆円を大きく上回っている。「つみたてNISA」が2018年1月に導入されたのに伴い、「長期・分散・積立」の投資が資産形成の最良の手段という認識が広まったが、それに伴い各投資信託シリーズ間で運用コスト(信託報酬率)を下げる競争が激化した。その競争の中で、「eMAXIS Slim」シリーズは業界最低水準を目指し、競合他社が信託報酬率を下げるたびに、同社もそれに応じて信託報酬率を下げ続けた。その結果、現在では「eMAXIS Slim」シリーズは他のシリーズを圧倒する存在感を示している。同ファンドの純資産残高は、2位の「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」と1兆円以上の差となっており、しばらく1位の座をキープする可能性は高いだろう。

■eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
基準価額 2万6026円
信託報酬 0.09372%(年率・税込)
純資産残高 3兆4313.76億円

<騰落率>
1カ月   7.2%
3カ月 17.0%
6カ月 13.2%
1年     40.5%

※1月末時点

外国株式型のリターン1位は「次世代通信関連世界株式戦略ファンド」(12.20%)

 

外国株式型のリターン1位は「次世代通信関連世界株式戦略ファンド」だった。同ファンドの設定日は2017年12月15日で、三井住友トラスト・アセットマネジメントが運用を行う。主に日本を含む世界各国の金融商品取引所等に上場している次世代通信関連企業の株式に投資し、投資信託財産の中長期的な成長を目指す。同ファンドの組入銘柄トップはエヌビディア(2023年12月末時点)であり、同社の株価上昇がリターンに寄与した。

■次世代通信関連 世界株式戦略ファンド
基準価額 1万8851円
信託報酬 1.848%(年率・税込)
純資産残高 3997.43億円

<騰落率>
1カ月 1.84%
3カ月 12.17%
6カ月 12.44%
1年  45.93%

※12月末時点