「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」に約3440億円の資金が流入

 

2024年1月の個別ファンドの資金流入額では、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」の約3440億円が1位となった。2位は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の約2090億円と、いずれも前月の水準から流入額が大幅に増加した。国内公募の追加型株式投資信託(ETF除く)において、1月末の純資産残高ランキングで3位となった「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、2018年10月の設定以来、初めて2兆円を突破した。2023年12月から4562億円積み増し、1月末時点で2兆2768億円となった。約3440億円の資金流入に加えて、月次リターンが5.6%のプラスと好調だったことが寄与したのである。また、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の純資産残高も前月比4326億円増の3兆4313億となり、2018年7月の設定以来、初めて月末ベースで3兆円の大台を超えている。

日本経済新聞によると、2024年1月に始まった新しい少額投資非課税制度(新NISA)は、その対象となる公募株式投資信託への資金流入額が約1兆3700億円であった。これは公募株式投信全体の流入額(1兆4200億円)の96%を占める大きな割合である。新NISA対象外の投信への流入額が500億円程度にとどまる一方で、その明暗が分かれている。このようなタイプの投信への流入額をけん引したのは、三菱UFJアセットマネジメントが運用する「eMAXIS Slim」シリーズである。この結果は、新NISA制度の影響力と、「eMAXIS Slim」シリーズの人気を如実に示しているといえるだろう。

■eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
基準価額 2万2062円
信託報酬 0.05775%(年率・税込)
純資産残高 2兆2768.6億円

<騰落率>
1カ月   5.6%
3カ月 15.1%
6カ月 10.3%
1年  32.1%

※1月末時点

公募株式投資信託の純資産残高は3カ月連続で過去最高を更新

 

公募株式投資信託(ETF除く)の純資産残高は前月比で5兆1894億円増加し、111兆5956億円となり、3カ月連続で過去最高を更新した。また、海外株式型への資金流入が続いており、また、国内・内外株式型や内外資産複合型でも資金流入に転じたことなどから、1兆3107億円の純資金流入があり、8カ月連続で流入超となっている。流入額が1兆円を超えたのは2022年12月以来、13カ月ぶりとなった。2024年1月は半導体関連銘柄を中心とした大型ハイテク株が株価をけん引し、ダウ工業株30種平均やS&P500種指数はそれぞれ史上最高値を更新した。これらの動きから、主に外国株式型の評価額が上昇している。また、1月の新規設定は38本であり、前月の44本から減少した。設定額も約790億円で、前月(約960億円)から減少している.個別ファンドで設定額が最も多かったのは「野村ホールディングス社債/システマティック・グローバル・マクロ戦略ファンド2401」の約350億円だった。次いで「フィデリティ・日本割安成長株投信」で、設定額は約160億円だった。