公的機関に買われないプラチナ

では、プラチナは外貨準備に組み入れられないのでしょうか。同じ貴金属なのだから、金と同様に外貨準備の1つとして組み入れられているようにも思えますが、実はプラチナを外貨準備に組み入れている国はありません。

なぜなら、希少価値はあるものの、希少過ぎて市場での流動性が極めて薄いからです。流動性が極端に低いと、価格の値動きも激しくなりがちです。そのためプラチナは、専ら工業用途が中心であり、公的機関の買いが全くない状態にあるのです。

この公的機関による買いがあり、かつその量が年々増加傾向にあるところで、金とプラチナの価格差が拡大している面もあるでしょう。直近でも、中国の中央銀行である人民銀行が保有している金の量が、15カ月連続で前月を超え、2024年1月末時点で約2245トンになったという報道がありました。

こうした公的機関による金買いは、米ドルに対する信認低下を意味するものという指摘もありますが、いずれにしても公的機関による金の買いが続く限り、希少性を無視した金とプラチナの価格逆転が続きそうです。

それがクレジットカードや会員制のランキングにどういう影響を及ぼすのかは、よく分かりませんが……。

参考
・ニッセイ基礎研究所「『プラチナ会員』のステータスは維持されるか?~プラチナ価格は金価格の約4割に転落」