東京商工リサーチの「TSRデータインサイト」によると、2023年を通じて「ラーメン店」の倒産、ならびに休廃業が過去最多になったとのことです。

2023年1~12月を通じて、負債総額1000万円以上を抱えて倒産したラーメン店の件数は45件となり、2022年比で2.1倍。2009年以降では2013年の42件を超えて過去最多になりました。また休廃業に追い込まれたラーメン店の件数は29件で、これも2009年以降で過去最多です。

ラーメン店の倒産件数を規模別に見ると

レポートを読むと、今のラーメン店の置かれた状況は、日本の中小・零細企業の縮図と考えて良さそうです。

まず、ここに来て倒産件数が増えている理由を、同レポートでは「コロナ禍でゼロゼロ融資に加え、時短営業や休業に対する補償など、手厚い支援を受けてきた。だが、コロナ禍が落ち着き、経済活動が活発になってもコロナ禍前の客足が戻らず、さらに、食材や水道・光熱費の高騰、人手不足、人件費上昇などのコストアップが資金繰りを圧迫している。ラーメン価格の設定の基準が不透明で、値上げが客離れを促す恐れもあり、小・零細規模のラーメン店は苦戦が続いている」としています。

倒産したラーメン店を資本金などの規模別に見ると、前年比で最も倒産件数が増えたのは個人企業の18件で、前年の4件を大きく上回りました。個人企業とは、言うなれば個人で経営しているラーメン店のことで、チェーンやグループには一切入っていない、老夫婦で経営している町中華をイメージしていただければ良いかと思います。

次に多かったのが資本金100万円以上500万円未満の小規模経営のラーメン店で、その倒産件数が個人企業と同じ18件で、前年の7件を大きく上回りました。

逆に、資本金5000万円以上1億円未満、ならびに1億円以上のラーメン店で、2023年中に倒産したのは0件でした。ラーメン店で資本金1億円以上になると、複数店舗を運営しているようなところだと思われますが、個人企業との違いは、やはりスケールメリットと知名度でしょう。

スケールメリットがあれば仕入れコストを下げられますし、知名度があれば採用面、宣伝効果などで有利に働きます。逆に、スケールメリットを享受できない小・零細規模のラーメン店にとっては、今の経済環境がすべて逆風となって襲い掛かったのです。