今年になって新NISAがスタートしたからか、SNSなどに「マネー講座」の広告がやたらと掲載されるようになってきました。主催者は日本証券業協会といった公的機関や、大手新聞社のカルチャーセンター、投資スクール、保険代理店などですが、中には明らかに顧客化が目的のところもありそうです。

「無料セミナー」を前面に打ち出しているところもありますが、これは決して親切心から無料にしているのではありません。多くの場合、会場に来てくれた人、あるいはオンラインで申し込んだ人の個人情報を取るのが狙いです。変なところに申し込むと、後々、勧誘がうるさくなりそうなので、慎重に選ぶようにしましょう。

「自称」専門家のセミナーより役に立つもの

実際、SNSに掲載されている広告の中身を見ると、かなりいい加減な内容が目立ちます。

たとえば、「1000万円を年5%の想定利回りで運用した場合、単利だと10年で1500万円ですが、複利で投資すれば1629万円になります」、といったことを表記して、投資に対する興味をあおっているわけです。

しかし、前々からこのコラムでも書いているように、価格変動リスクのある投資信託の再投資運用で、預貯金の複利的な効果は期待できません。こうした基本中の基本も理解できていない人間が、資産運用の専門家を名乗ってセミナー講師をしたりしているので、本当に注意が必要です。

そのような、本当かうそか分からないようなセミナーに参加するくらいなら、全く資産運用や金融に関する知識のない人にとっては、読みこなすのが大変かもしれませんが、しっかりした専門家の書いたレポートを読む方が、数字の根拠がしっかりしているので、はるかに役立ちます。

もちろん、それでも書かれている内容をうのみにしないこと。いかなる専門家が書いたレポートも、1つの視点を提供してくれているだけに過ぎません。大事なことは、しっかりした裏付けに基づいて書かれた複数の考え方に目を通したうえで、自分に適した運用法を考えることです。