方法③:「マッチング拠出」でお得に退職金を増やす

企業型DCは運用次第で、自分の退職金を増やせる可能性がある制度ですが、会社が拠出する掛金は、従業員全員が一律の場合もあれば、貢献度や役職に応じて掛金を引き上げる仕組みを採用している会社もあります。

掛金には上限があり、企業型DCのみを導入している会社は、最高で月額5万5000円(年額66万円)です。とはいえ、毎月5万5000円をフルで拠出してくれる会社はほとんどないでしょう。多くの場合、毎月の掛金は上限に達しておらず、もったいないことに枠が空いている状態です。

そこで、このもったいない枠を従業員が有効活用できるよう、「マッチング拠出」という制度を導入している会社も増えています。

マッチング拠出は、会社が拠出する掛金に、従業員自らが掛金を上乗せ拠出できる制度です。この制度を活用すれば、運用する元金が増やせるため、将来もらえる給付額が多くなることが期待できます。また、自分が拠出する掛金は全額所得控除になるため、所得税と住民税が減り、手取りが増えるという効果もあります。

マッチング拠出では、事業主と従業員の掛金の合計が月額5万5000円まで(確定給付企業年金を併用している場合は月額2万7500円まで)拠出できます。ただし、従業員は、事業主の拠出額を超えて掛金を拠出することはできません。たとえば、拠出上限額が月額5万5000円で、事業主掛金が月額2万円という場合は、3万5000円分の枠が空いていますが、従業員が拠出できる掛金は月額2万円以下ということになります。