世の中には、「意識調査」と称される調査結果が、さまざまな機関から発表されています。これは、人々の意識や心理を探ることによって、その調査結果を、各種政策決定や製品・サービスの開発などに活用するのが目的です。
基本的に、政府や日銀のような公的機関が行っている意識調査は、各種政策決定を目的にして行われるものであり、民間のコンサルティング会社、リサーチ会社、マーケティング会社、シンクタンクなどが行っている意識調査は、製品・サービス開発に主眼を置いたものが多く見受けられます。
各種メディアが、こうした意識調査の結果を記事にすることもありますが、注意しなければならないのは、民間の機関によって行われている意識調査です。なぜなら、何らかの意向を持って行われているケースがあるからです。
典型的なケースを紹介
今回は、その典型的なケースを取り上げましょう。「株式の銘柄選びに関する意識調査」と名付けられたもので、その2023年版のタイトルは、「新NISA制度はまもなく!投資家の関心は?」というものです。
明らかに、2024年1月からスタートする新NISAを意識した内容であることが窺えます。加えて、その調査結果を大きなタイトル見出しに使っており、そこには「個人投資家の7割以上が『株主優待』を重視!」とあります。
以上を見る限り、新NISAがスタートするにあたって株式投資を検討している個人投資家の7割以上が、株主優待を重視して銘柄を選んでいる、という印象を受けます。
果たして、そこまで多くの個人投資家が、株主優待を重視しているのでしょうか。あるいは、それは正しい銘柄選択基準になるのでしょうか。