中小企業の「定年制度」は大企業とどう違う?

中小企業の定年制度や退職金制度については、東京都産業労働局が毎年発表している「中小企業の賃金・退職金事情」という調査データが参考になります。

調査対象が従業員10人~299人の都内中小企業であるため、地方の中小企業は含まれていません。全国的には少し事情が違っているかもしれませんが、圧倒的に企業数の多い東京都のデータは、全国的にも参考になると思います。

では、まず中小企業の定年制度についてみてみましょう。「令和4年版中小企業の賃金・退職金事情」によると、定年年齢を「全員一律」としている企業が86.7%で、「定年制なし」という企業が11.3%と報告されています。

この結果は、大企業とどれくらい差があるものなのでしょうか?

大企業の定年制度については、厚生労働省の「令和4年就労状況総合調査」に定年制度の調査が掲載されています。「就労状況総合調査」の調査対象には従業員数が30人~1000人以上まで幅広い企業規模の会社が含まれています。そのうち、大企業に分類される従業員300人以上の企業の結果を抜粋し、中小企業の結果と比較してみました。

厚生労働省令和4年「就労状況総合調査」と東京都産業労働局「令和4年版中小企業の賃金と退職金事情」より筆者作成

どの企業規模においても、全員一律定年制度を採用している企業が大半であることがわかります。しかし、中小企業においては、「定年制度なし」としている企業が約1割あるというのが特徴的です。

また、全員一律定年制を採用している企業が何歳を定年としているかも比較してみました。

厚生労働省令和4年「就労状況総合調査・定年制度等」をもとに筆者作成
東京都産業労働局「令和4年版中小企業の賃金・退職金事情」をもとに筆者作成

大企業、中小企業ともに定年年齢は、60歳が最も多く、次いで65歳という結果です。ただし、わずかに中小企業のほうが65歳定年の割合が多く、70歳を定年としている会社もあるようです。