新NISAから“毎月”分配型は除外だが、分配型ファンドはある

本連載では、これまでさまざまな角度から新NISAの対象投資信託について取り上げてきた。6月以降、成長投資枠の対象投資信託は続々と公表され、10月時点で1682まで増えた。1月の制度開始に向け、「ある程度出そろった」と言ってよいだろう。というのも、新NISAでは、明確に対象外とされている投資信託が相当数存在するためだ。

その代表格が、毎月分配型投資信託である。毎月分配型とは、文字通り、分配金の支払いを目的とし、毎月決算を行う投資信託を指す。複利効果を事実上放棄することになるため、長期の資産形成には不向きであるとして、現存する約2000本の毎月分配型が一律に新NISA対象外となった。

ただし、対象外となっているのは、あくまでも分配頻度が年12回のファンドだけである。年6回の隔月分配型や、年4回の四半期分配型はこの基準に該当せず、計187本(10月時点)が対象ファンドとしてラインナップされている。このことを「抜け道」と揶揄する向きもあるのだが、定期的に分配を行う投資信託(定期分配型)自体が「悪」なのかというと、それは違う。これまで貯めてきたお金を「使う」フェーズに突入した60代以上の投資家にとって、機械的に分配金が払い出される投資信託は使い勝手が良い商品という見方もできる。

では、定期分配型で気を付けるべき点とは何か。

それは、身の丈以上の分配を行っている、つまり、分配金の大部分が元本の払い戻しになっているようなケースである。このようなファンドは、想像よりも速いスピードで資産の目減りが進んでしまう可能性が高く、長い目で見ると、老後の資金計画に影響が出るため注意が必要だ。