運用シミュレーションで将来をイメージする

「よくわからないから」という方には、シミュレーションの実施を勧めています。
例えば、野村證券のDC加入者用WEBサイトでは、投資した資産クラス(国内外の株式、国内外の債券等)の違いによる将来シミュレーションが行えます。シミュレーション結果は、60歳時(もしくは65歳時)の中央値を中心に「良かった場合」「とても良かった場合」「悪かった場合」「とても悪かった場合」の5本の線で表示されます。

中央値がもっとも高確率でその金額になる値です。例えば、30歳の方が毎月1万円ずつ、65歳までDC掛金を国内外の株式と債券に25%ずつ分散投資した場合の中央値は、予想利回り3.2%、予想残高778万円と表示されます。掛金累計額は420万円なので、運用益は358万円です。十分な運用結果といえるでしょう。

シミュレーション結果で、中央値とともに注目すべき数字が「悪かった場合」です。シミュレーションでは約7割の確率で「悪かった場合」と「良かった場合」の間になる想定をしています。つまり「悪かった場合」よりも下ブレをするのは、15%ほどの確率になります。先ほどの例では、「悪かった場合」の予想利回りは1.1%、予想残高は519万円という結果になりました。この数字がご自身の感覚で受け入れがたい、という場合は、国内債券型投資信託や元本確保型の割合を増やして、再度、計算してみるとよいでしょう。
※シミュレーションによる数値は2023年8月現在のもの

シミュレーションは誤解を解くカギにもなる

運用リスクと聞くと、資産がゼロ円になる(まったくなくなる)と誤解される方もいらっしゃいます。DCは投資信託の活用が中心のため、一時的に元本を割れることはあっても、ゼロになることはありません、と説明しても伝わりにくいのが現状です。

シミュレーションの実施は、具体的な数字がイメージできるため、「わからない」部分を減らすことにもつながります。