議決権・優待は原則なし、コスト高め 単元未満株の注意点

単元未満株取引の注意点も押さえておきましょう。

一つ目の注意点は、株主の権利が限定される傾向にあることです。国内上場企業の多くは1単元以上を保有する株主に対して議決権を付与します。株主優待も100株以上保有する株主を対象とすることが一般的です。単元未満株を保有していても、原則としてこれらの権利を行使することはできません。

なお、配当金は1単元に満たなくても株数に応じて支払われます。単元未満株取引は名義が証券会社となる場合がありますが、その場合も証券会社から配当金相当額が支払われることが一般的です。

二つ目の注意点は取引の制約です。通常は約定(※)価格を指定する「指値(さしね)注文」ができますが、単元未満株取引では基本的に対応していません。そのときの株価で売買する「成行(なりゆき)注文」で取引することとなります。

※約定(やくじょう):株式取引が成立すること。

取引コストにも注意したいところです。一概にはいえませんが、単元未満株取引の取引コストは通常の株式取引よりも高い傾向にあります。利用する前に確認しておきましょう。

【単元未満株取引のコストの例】

  買いコスト 売りコスト 往復コスト
 (売買代金1万円
) 
 SMBC日興証券
(キンカブ)
 無料(※1)  0.5%(※2) 50円
 マネックス証券
(ワン株)
無料 0.55%(※3) 55円
 SBI証券
(S株)
無料 0.55%(※4) 55円
 楽天証券
(かぶミニ)
0.22%  0.22%+11円/回  55円
 auカブコム証券  
(プチ株)
 0.55%(※3)  0.55%(※3) 110円
 PayPay証券 0.5%(※5) 0.5%(※5) 100円
 大和コネクト証券  
(ひな株)
0.5% 0.5% 100円
 CHEER証券 0.5% 0.5% 100円

※2023年8月15日時点
※1.100万円以下の場合。100万円超は0.5%

※2.100万円以下の場合。100万円超は1.0%
※3.最低52円
※4.最低55円
※5.平日の9時~11時半と12時半~15時間の場合。その他の時間帯は1.0%

文/若山卓也(わかやまFPサービス)