2024年1月から、大幅に拡充予定のNISA制度。「制度の恒久化」「非課税投資期限の廃止」「総拠出額は1800万円まで」など大きな話題を呼んでいますが、このNISA制度を上手に活用できるかどうかがお金の不安をなくすための分かれ目だと、ファイナンシャルプランナー・山崎俊輔氏は言います。

話題の書籍『新NISAとiDeCoでお金を増やす方法』では、新しいNISAの主な変更点と拡大部分、iDeCoを併用しながら貯金感覚で資産形成する方法について山崎氏が優しく解説。今回は本書より第2章「NISAは2024年にどう変わるのか?」の一部を特別に公開します。(全3回)

●第1回:「実行力がない」と批判されがちな岸田内閣が、「NISA改革」を実現させた“背景”

※本稿は、山崎俊輔著『新NISAとiDeCoでお金を増やす方法』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。

変更点①制度の恒久化が実現

それでは新しいNISAについてみていきましょう。まずは大きく変化する部分です。

現状のNISA制度は毎年1口座を開設する仕組みですが、実はこれ、5年後、10年後もNISA口座が続くことは約束されていませんでした。

数年おきに税制改正大綱で「これからもNISAをXXXX年までは開設できます」と認めて、そのつどアップデートされていたのです。

これではいつまでNISA口座を開設し続けられるか不安です。長期投資といいながら、20年先の未来でつみたてNISAが続いていないのでは困ります。

そこで今回、NISAは制度として恒久化されることが明確になりました。これからはNISA制度がなくなることを心配せずに安心して活用できます。

変更点②非課税投資期限の廃止

一般NISAが「投資した年から5年目の年末まで」、つみたてNISAが「投資をした年から20年目の年末まで」を、非課税投資が続けられる期間としていましたが、これが完全撤廃されます。

これは革命的な変化です。

特に一般NISAについては、これまでは中長期投資を求めつつも、投資5年目の年末に何か対応をしなければなりませんでした。毎年毎年、「5年前に投資したお金はどうなっていたのだろう」とチェックし、期限までに手続きをするというのは面倒です。

この非課税投資期限が廃止されることにより、「NISA口座全体」で自分のライフステージや資金ニーズをみながら資産管理できるようになります。