割引係数をつかって求める「お金の価値」
それでは、5年後の100万円を年率3%で割り引くといくらになるのでしょうか? 答えは86.3万円=100万円/(1+3%)^5となります。
この86.3万円を5年後に受け取る100万円の現在価値(PV:Present Value)といいます。したがって、86.3万円が、あなたが友人の宝くじに払ってもよい上限金額となるのです。
割引率は英語では、ディスカウントレート(discount rate)※3といいます。
※3 この割引率(ディスカウントレート)は、「資本コスト」を基準に決めます。
また、1/(1+r%)^nだけを取り出して、割引係数(DF:Discount Factor)といいます。現在価値を求めるときはn年後に受け取るX円に割引係数を掛けることになります。
著者情報
石野 雄一
いしの ゆういち
財務戦略コンサルタント
上智大学理工学部卒業後、旧三菱銀行に入行。9年間の勤務を経て退職後、米国インディアナ大学ケリースクール・オブ・ビジネス(MBA課程)修了。帰国後、日産自動車に入社。財務部にてキャッシュマネジメント、リスクマネジメント業務を担当。2007年より旧ブーズ・アレン・ハミルトン(現:Strategy&)にて企業戦略立案、実行支援等に携わる。2009年に同社を退職後、コンサルティング会社である株式会社オントラックを設立し、企業の投資判断基準、撤退ルールの策定支援、財務モデリングの構築、トレーニングを実施している。著書に『ざっくり分かるファイナンス』(光文社新書)、『実況! ビジネス力養成講義 ファイナンス』(日本経済新聞出版)などがある。
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