大輔さんが病院に着くと、けがの処置は終わっていましたが、いくつか検査が必要とのことで、父を連れて回ることになりました。どこも待ち時間が長く、大輔さんは付き添うだけでくたくたになってしまいました。父は入院することになったので、治療計画の説明を聞いて、家族の欄や支払いの誓約書にサインし、入院中の着替えなどのレンタルの説明を受けて契約し、帰宅する頃には夜になっていました。
入院はそんなに長くはならなさそうですが、場合によってはリハビリテーションを受けるための施設に転院することもあるそうです。今住んでいる家は段差が多く、お風呂やトイレに手すりはついていません。ちゃんと治してから退院してほしいですが、年のことを考えると元通りというわけにはいかないのかもしれず、大輔さんは不安になりました。
介護保険という言葉が頭には浮かびましたが、いつどうやって使うのかイメージが湧きません。自分が介護をしなければならないのか、仕事を辞めなければならないのか、そうしたら自分の老後はどうなるのか、と想像して気持ちが暗くなり、帰宅して母にいろいろ聞かれるのを振り払うようにして夕食も取らずに寝てしまいました。
●働きながらの介護は本当に可能なのか? 続きは後半記事【親を介護する理由、女性「家族が行うのが当然」 男性はまさかの回答】で紹介します。