2.年間投資枠と非課税保有限度額を比較

次に比較するのは「年間投資枠」。両制度とも運用益非課税の税制メリットがありますので、1年間の投資上限金額が決まっているのです。

iDeCoは職業に応じて異なりますが、最大でも自営業者等(国民年金の第1号被保険者)の81.6万円。一方、新NISAのつみたて投資枠は120万円になりますから、つみたて投資枠の圧勝になりますね。

もう1つの「非課税保有限度額」、これは新NISAに新たに導入されるルールです。つみたて投資枠と成長投資枠をあわせて1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円)で、買付金額ベースで管理され、商品を売却した場合は当該商品の買付金額分の非課税枠を再利用できるようになります。

一方、iDeCoにはこのようなルールはありません。なぜなら、iDeCoには積立できる年齢に上限があるからですね。仮に20歳から60歳までの40年間で考えると、iDeCoの実質的な非課税保有限度額は以下のように試算できます。

筆者作成

単純に比較すると、つみたて投資枠よりも、iDeCoの自営業者の限度額のほうが、はるかに大きいですね。でも、つみたて投資枠の限度額は会社員や専業主ふ、そして公務員のiDeCoのそれよりも大きいのです。

ですから、職業や年齢に関係なく、生涯にわたる非課税保有限度額が十分にあるのが、新NISAのつみたて投資枠だと、そんなふうに言えるかと思います。