引き出し機能を併せ持った金融商品も存在する

この手間がかかることを自動的に実施してくれるのが、毎月分配型の投資信託です。最近は運用で得られた収益の範囲内で分配をしていく商品が多いのですが、定期解約機能という観点から元本も含めて毎月分配金を支払う方法は、老後の生活を支えるという点では有効な機能だと思います。

また個人年金保険も老後の引き出し機能を持つ商品と言えます。個人年金には満期に到達すると、そこから先は一定期間、または終身で毎月決まった額を給付する商品があります。これは保険の仕組みを通じて形成した資産を、毎月の給付に変換している格好になります。

ただ、残念ながら超低金利の日本では、円建てでは魅力的な給付水準のものがなく、給付水準を高めようとすると外貨建ての商品になってしまいます。一般的に米ドル建てや豪ドル建てのものが多いのですが、給付水準が高くなる反面、為替リスクを負うことになるので一長一短があります。給付水準を高めるべく運用する変額年金もありますが、こちらは市場リスクを負うことになるので、やはり一長一短なのです。

毎月分配型投資信託の引き出せる期間は運用リターンに依存します。個人年金はあらかじめ定められた期間、給付されることになりますが、あまり魅力的な水準でない場合が多く、また中途解約するとペナルティが課されてしまうなどのデメリットもあり、“やめ方”のソリューションとしては十分でないかもしれません。