幸せなおひとりさまになるためには、お金と賢く付き合う必要がある
幸せなおひとりさまの生活をするためには、少し余裕のある経済環境を作っておくことがとても大切です。そのために必要なことは、メリハリをつけることです。世の中のシステムは未だに平均とか標準を中心に作られています。家族、夫婦、会社員や公務員。お金の使い方もみんな平均や標準というものがある。
それは、自分が本当に欲しいものと、標準や平均との間には差があるということを意味します。差は自分にとっては無駄、必要がないものです。また、反対に足りないこともあるわけです。
お金は大切です。ですから、自分のお金は自分のニーズに合わせて使っていく。標準仕様に合わせないということが必要です。
この本の企画を持ってきてくれた編集者の原田さんから、おひとりさまは老後が心配で、将来の生活費のことがとにかく心配だと思うんです。いったいいくらくらいあったら生活ができるのか、ぜひ書いてくださいと言われました。
私は、それは人それぞれですから、と言いました。
そうしたら、原田さんは、セレブコース、普通コース、最低限コース、のようなモデルケースを提示してもらうことはできませんか? と返されました。
そういうことじゃないんです。
例えば、1ヶ月の生活費が10万円あれば十分な人もいるでしょう。10万円だから、苦しいとかとことん節約をしてるとか、そういうことじゃない。例えば、地方に住んでいて家賃が要らない人、もしくは、公営住宅などで非常に安い家賃の賃貸に住んでいる人なら住宅費はほとんど要りません。
料理を作るのが億劫(おっくう)でなく、外食などはほとんどせず、スポーツや散歩が好きで、特にお金のかかる趣味も持っていない。そして健康だという人にとってみると、1ヶ月に必要なお金は非常に限定的なんです。
食費がメインになる生活です。さらに、地方では地域のコミュニティの中で上手くやっていると、農村地域なら規格外の野菜を、港に近ければ魚をもらえたりすることもあるものです。そういうおひとりさま生活なら1ヶ月に10万円もあれば十分なのです。
しかし、東京や大阪などの都市部で生活をしている人で、食事は外食を基本にしながら、趣味や人との付き合い、時には旅行などもしながら暮らしていくとなると、そうはいきません。1ヶ月で30万円でもギリギリかもしれません。さらに家賃が月に20万円くらいのところに住んでいるとなると50万円でも十分でない人もいるものです。
月に50万円の生活をしていても、本人は決して贅沢をしているつもりでも、裕福な生活をしているとは思ってないものです。他者から見ても、テレビで見るようなセレブレティな生活とはちょっと違うそんな生活になる。
本当に人それぞれなのです。