おひとりさま4人に1人時代が到来したともいわれる現代。誰しも「おひとりさま」になりうると、“自分事”化しておく必要があります。
特に、医療や保険、年金、介護…といった“老後のお金”まわりで、「知らなかったがために損をする」事態を避けるためにも、早くから知識を身に付けるにこしたことはありません。
話題の書籍『おひとりさまが知って得する、お金の貯め方・増やし方』では、経済評論家として活躍中の佐藤治彦氏が、充実した“おひとりさまの老後”を過ごすために必要なお金との向き合い方を解説。今回は、本書冒頭の「はじめに」と第2章「幸せなおひとりさまは貧乏ではいけない。お金と住宅にまつわる話」の一部を特別に公開します。(全3回)
※本稿は、佐藤治彦著『おひとりさまが知って得する、お金の貯め方・増やし方』(ぱる出版)の一部を再編集したものです。
おひとりさまは、知らないと損することばかり
おひとりさま、普通時代がやってきました。おひとりさまと言っても、生涯独身の人もいるし、結婚はしたけれど離婚した人、反対にまだ結婚してないだけの人もいる。夫や妻、愛するパートナーが亡くなりおひとりさまになる人もいます。
また、家庭がうまくいかずに、これからおひとりさまになるかもしれない、いや、なりたいと思っている人も少なくありません。こう考えると、おひとりさまとおひとりさま予備軍は、決して少数派ではなく、もはや成人人口の半分近いと言っても過言ではありません。
そして、今の自分はおひとりさまではないとしても、それは相手のあることです。また、いつ何時、おひとりさまになるかもしれません。そういう時代に私たちは生きています。
ただ、今の日本社会はおひとりさまに決して優しい社会ではありません。日本のシステムは、昭和半ばのサザエさんのような家族構成と家庭で人生を送る人をモデルケースにして作られています。特に社会の制度や、経済のシステムがそうなっています。そういう仕組みの中で生きているのです。
おひとりさまには、幸せなおひとりさま、不幸せなおひとりさまがいます。中間もいます。それを分けるのはいったい何でしょうか?
その一つがお金であることは間違いありません。ところが、多くのおひとりさまは、どういう選択をしていくべきか。その情報や知識がないために、誤った選択をし続けて、金銭的に随分と損をしているように思います。
この本は、おひとりさまが、直面するさまざまな経済的、社会的決断の中でどうやっていくのが賢いのか、どういう選択肢があるのか、また知っておきたい情報を紹介しながら、ひとりでも多くの人に、笑顔で人生を送ってもらうための後押しになるように書いたものです。
知っておきたい、医療と保険、年金、介護保険、老人ホームの知識やおひとりさまが得する選択の方法。税金の知識をつけてもらって、ほぼノーリスクでお金を増やす方法。支出に占める割合の高い住まいについてへの提言。手元に残るお金を増やす買い物のポイント、考え方などについても書きました。
また、お墓やお葬式についておひとりさまはどう考えたらいいのかそんなことまで書いてみました。知らないと損することばかりです。
私はこれが正解だ! と私の考えを押し付けようとは思いません。できるだけ皆さん自身に考えてもらって、読者の皆さん一人ひとりに最適な答えを見つけてもらうヒントを提示していきたいと思っています。
ひとりでも多くのおひとりさまが、笑顔で幸せなおひとりさまになりますように。