資産価値の目減りを抑えるための対処法

インフレによる資産価値の目減りを最小限に抑えるためには、株式などインフレに強いと言われるリスク性資産を、ポートフォリオに組み入れる必要があります。

では、リスク性資産の動きはどうなっているのでしょうか。

資金循環統計によると、投資信託は2022年6月末、9月末、12月末と、3四半期連続で前年同期を下回っていますが、これは資金の純流出入ではなく、時価総額でカウントされているからです。

つまり株価などマーケットが大きく値下がりすることによって、残高の数字がマイナスに転じていると考えられます。投資信託と同様、株式も3四半期連続で前年同期を下回りました。

とはいえ、資金流入から資金流出を差し引いた純流入で見ると、株式にも、また投資信託にも順調に資金が流入しています。

同レポートでも、「株式等が0.3兆円の純流入(前年同期は0.6兆円の純流入)、投資信託も1.9兆円の純流入(前年同期は2.0兆円の純流入)となった」、「従来高齢化に伴う相続に絡む売却などで純流出が優勢となっていた株式は直近2年の流入額が1.9兆円と明確なプラスになっている。また、投資信託の純流入は11四半期連続で、この間の純流入額は13兆円に達する」と指摘されています。

資金の規模という点では現金・預金に遠く及ばないものの、投資信託の「11四半期連続純流入」のように、持続的に資金の純流入が続いている点は、個人が徐々に資産運用への関心を高めている証左とも見て取れます。