野球も老後も「時代」とともに変わる!

(1)野球は完投型から「継投型」へと変貌

昔のやり方(完投型・上乗せ型)から新しいやり方(継投型)へ転換する時は、昔のやり方に馴染んだ方々から必ず批判が出てきます。しかし、昔のやり方が通用しなくなりつつある以上、「今」を生きる私たちは、時代に即した新しいやり方を模索する必要があります。

時代とともに変わり行くのは、野球も同じです。昭和の時代の野球といえば、下図のスタイルが主流でした。とりわけ、「投手はエースが先発完投してナンボ」という風潮は、高校野球では現在もなお根強く残っています。

しかし、現代の野球は、次のとおり変貌を遂げています。

オールドファンの中には、このような変化を嘆く方も一部にいます。しかし、それによってわが国では野球の人気は失墜したのでしょうか。いや、失墜するどころか、野球は現在もなお主要な人気スポーツの一つとして君臨し続けています。

なお、オールドファンが称える「古き良き野球」の典型例として、プロ野球でV9(1965~73年まで9年連続日本一)を達成した巨人軍が引き合いに出されます。しかし、当時の巨人軍はON(王・長嶋)の活躍ばかりが脚光を浴びていますが、その影で守備のセンターライン(森・土井・黒江・柴田)がしっかり確立されており、かつ川上哲治監督の采配も管理野球が主体だったことを念のため申し添えます。

(2)老後生活も完投型からWPP(継投型)へ変革を!

WPPモデルは、老後生活への備え方を、昔のやり方(完投型・上乗せ型)から、就労延長・私的年金等・公的年金の3本柱による新しいやり方(継投型)へと変革することを提案するものです。

とりわけ、終身給付で資産枯渇リスクとは無縁な公的年金が人生の最終盤をリリーフすることで、「何千万円貯めても老後が不安だ」という状態からの脱却を目指しています。

さらに、ここ数年の雇用・労働法制ならびに公的年金・私的年金の改正により、WPPモデルを実行するための環境が大きく整備・改善されています。環境は整いました。あとは実践あるのみです。

最後に、WPPモデルの発想は、かつてプロ野球の阪神タイガースで2000年代に活躍したリリーフ陣の愛称だったJFK(ジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之)から着想を得ています。野球が時代の変化に対応したのと同様に、老後生活への備え方も時代とともに新たな「勝利の方程式」を見出す必要があります。

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