株式投資は210年の間に投資資金を「約70万倍」にした
上の図は、株式や債券などへの投資が昔から発達しており、くわしい記録が残っている米国で投資をした結果をグラフにしたものです。
米国の株式、長期国債、ゴールド(金)、短期国債に投資した結果を描いています。期間は1802年〜2012年です。
この期間には2回の世界大戦がありましたし、1970年代のベトナム戦争で米国社会は深く傷つきました。20世紀には世界恐慌、21世紀にはリーマンショックという経済危機があり、2001年にはニューヨークがテロ攻撃を受けました。世界が平和だった時期はなく、米国経済が大きな損害を受ける出来事はたくさんあったのです。
それでもグラフを見ればわかるとおり、どんな出来事も200年のグラフで見れば、ほんの小さな凹みにすぎません。長期間投資をしていれば、経済の傷は必ず回復し、株価もふたたび上昇していきます。
そして、長期国債・短期国債・ゴールドに比べて、株式投資がずば抜けて有利な投資の手段だったことも、一目でわかると思います。株式投資では、1802年に投資した1ドルが、210年の間に「約70万倍」になったのです! 株式投資の力を感じてもらえたでしょうか?
ものすごい増え方に感じられますが、1年ごとの投資成績に置き換えると、毎年6.6%の上昇になります。1万円を投資して、1年後に1万660円になるくらいですから、そうびっくりするような増え方ではないですよね。それでも毎年6.6%ずつ増えると、1万円が10年後には1万8,948円、20年後には3万5,904円、そして30年後には6万8,032円に増えます。そして、仮に同じ期間を定期預金に預けていた場合、現在の金利がこのまま続けば、30年たっても1万円は1万円のままです。
この運用成績は過去の米国のものですが、日本を含めた米国以外の国についても、成績の良しあしはあっても、長期間の株式投資ではみな投資資金は増えていました。
将来の日本や世界の株式で同じような運用成績があげられるかどうかは、未来のことなので断言はできません。とはいえ、考えてみてください。投資をする人の「お金をもうけたい」という気持ちは、過去も未来も違いはありません。であれば、人々の行動の結果である株価もそれほど大きくは違わないと考える方が、自然ではないでしょうか。
歴史とまったく違う、投資をした人が延々と損をし続ける未来がやってくると考えるよりは、投資がお金を増やす力を信じるほうが、自然ではないでしょうか。