債券投資ではお金は増えないの? いいえ、増えます!

2ページ目のグラフをもう一度見てみましょう。

株式投資は200年の間、順調に右肩上がりになっています。それに比べて、長期国債と短期国債の成績が、途中から右肩上がりになっていないことに気がついたでしょうか?

長期国債と短期国債は、どちらも国が発行する債券です。満期(投資したお金が返ってくるまでの期間)と金利に違いがありますが、ここでは区別をせず、株式より安全な債券投資としてまとめてお話しします。

まず、このグラフを見ると債券投資がもうからないように見えてしまうのですが、そんなことはありません。

ポイントは、グラフの一番下に描かれている「米ドル」の線です。1950年くらいから米ドルの線がどんどんマイナス方向に進み、同じ時期から国債が横ばいになっているのがわかるでしょうか。

「米ドル」とは文字の通りで、現金を投資せず銀行にもあずけず、家に置いておいた場合です。保護者のかたには「タンス預金」という言葉がわかりやすいでしょう。1950年くらいからお金の価値がマイナスになっているのは、物価がどんどん上昇して、同じお金でも買えるモノやサービスがどんどん少なくなっていることを表しています。

つまり、この期間に債券投資が横ばいになっているのは、現金の価値がどんどん減ってしまう時期に、債券投資をしたことで投資した資金の価値を減らさずに済んだということです。債券投資も、株式投資ほどではありませんが、着実にお金を増やす力があります。

株式投資と債券投資で、それぞれどのくらいお金を増やす力があるか表にまとめました。投資資金1万円が、10年〜30年でどれほど価値が増えるかを示しています。