近年、お金についての基礎知識を学ぶ「金融教育」が学校の授業で実施され、話題となっています。今や若者の自立に欠かせないとされる金融リテラシー。しかし「なぜ投資するとお金が増えるのか」「効率よくお金を増やす方法とは?」といった疑問に正確に答えられる自信のある“大人”はどのくらいいるでしょうか。
投資についてイチから学びたい!子どもや親からのお金の質問にきちんと答えたい! そんな声に寄り添うのが、投資こそ必須の「生涯保険」という信条のもと、長期資産形成や実体経済に関する執筆を専門とする日野秀規氏。話題の書籍『こどもと一緒に読む投資の話』では、家族三世代全員が理解できるお金の増える仕組みを解説しています。今回は特別に、第3章『お金を「ふやす」ってどういうこと?』の一部を公開します。(全4回)
●第1回:大人なら説明できるようにしたい!「株でお金が増える」本当の仕組み
※本稿は、日野秀規著『こどもと一緒に読む投資の話』(ぱる出版)の一部を再編集したものです。
金融市場には400年以上の歴史がある
投資は理屈ではもうかるものだけど、場合によってはうまくいかないこともある、というお話をしました。そんなにあやふやなものに、自分の大切なお金を投じることはできないと思った人がいるかもしれませんね。
株式や債券を取引する金融市場には400年以上の歴史があり、細かく値動きをたどれる期間だけでも200年分の歴史があります。株式投資はときどき、だいたい長くて10年程度の期間、うまくいかないこともありました。それでも、長くやればやるほど投資家をもうけさせてきたことを知ってほしいのです。
10年もうまくいかない期間があったと聞くと、投資がこわくなってしまうかもしれませんね。この後でお伝えしますが、1990年以降、日本の株式は調子の悪い時期が長く続き、32年たったいまでも、当時より低い株価になっていたりします。
実は、そのこわい気持ちが大事なのです。こわさをがまんして投資をした人だけが、投資先の会社があげる利益の分け前である、配当をもらうことができます。
あなたが投資したお金がめぐりめぐって会社の役に立ち、成長すれば株価が上がる、という話は少し前にお伝えしましたね。このような投資のしくみが、実際にどれほど投資家をもうけさせてきたのかを知ってもらえば、きっとあなたのこわい気持ちは減っていくと思います。