株式は「定期的に配当がもらえる権利」だから価値がある
日本の株式市場には、3,000社を超える企業の株式が上場されています。株式の売買は月曜から金曜の午前9時〜午後3時まで行われていますが、売買する投資家の目的はさまざまです。
「現金が欲しいので持っている株を売りたい」「成長が見込まれる企業の株式を買い、価値が上がってから売りに出してもうけたい」など、考えることは人それぞれです。
ここで大事なのは、「もうけたい」と考える大勢の人が(コンピュータを通じて)株式市場に集まって、日々さかんに株式の売買が繰り返されていることです。株式市場に上場されている株式は、定期的に配当がもらえる「権利」として売買されています。
たとえば、ある上場企業の事業の調子が悪くなったとします。株主がこの会社について、将来の配当額が減るだろうと考えた場合、早く株を売って配当が確実にもらえる企業に乗り換えたいと思うでしょう。買う側も売り手の気持ちはわかるので、できるだけ安い値段で買おうとします。こうして、調子の悪い企業の株価は下がっていきます。調子のよい企業はこの反対で、配当額が増えていくと期待する投資家が集まるので、株価が上がっていきます。
配当を支払わない会社も上場しています。これも理屈は同じで、いまは配当を支払っていないけれども、その分のお金を事業拡大のために使って、先々は配当を支払うようになると期待されているので、先回りして株式を買いたい人と売りたい人の間で売買されています。
大まかにいえば、会社という「利益を生み出すしくみ」の「価値」に、それを投資家がいくらで買いたいか、売りたいかという「評価」が掛け合わされたものが「株価」です。人々の知恵と欲が、証券取引所で折り合いをつけているのです。